筋を通せば角が立つ

昨日の夜半に、津波警報は解除され津波注意報にと変わった。おかげで、津波一色の報道からようやく普通の生活へと変わることができた。今回は、日本列島の太平洋側すべてが津波警報に指定されていた。近くでの巨大地震だっただけに、津波の被害には最新の注意が喚起されていた。 アメリカのFRBは7月の会合において、今回も金利の据え置きを決定した。トランプ大統領閣下さまが、パウエル議長をToo Late Manと評して、なんとか利下げを実現させようと圧力をかけていたけれども、圧力には屈せず、理論の筋を通したというところか。 しかし、今回の会合ではボウマン副議長とウォラー理事が金利の据え置きではなく利下げをするべきと反対票を投じた。トランプ大統領閣下は、マーケットの動向、特に住宅市場においては金利の上昇により落ち込んでいること、支払いが滞り住宅を手離す人が増えることを嫌って、金利を下げたくて仕方ないのだろう。 当初から7月利下げを主張していたウォラー理事が反対することは、当初からの予定通りの行動だと受け止められているだろう。トランプ大統領閣下さまの考え方を受けて、市場がウォラー理事を次の議長だと認識するようになれば、ウォラー氏の発言に市場は反応するようになるだろう。そして、相対的にパウエル議長の発言力が弱まることとなる。 もう、可哀そうなことにトランプ大統領閣下さまの周りには、YESマンしか集まらなくなって、耳に痛くても正論を言う人がいなくなっていくのが目に見えてくる。こうなると、まともな判断ができなくなる可能性が、どんどんと高まってくる。 今回は、なんとかFRBの独立性を保つことができたけれども、この先、FRBがその独自性を保てる保証はどこにもない。もし、トランプ大統領閣下さまの意向を汲んだ、ウォラー氏が次期議長にでもなるとすれば、FRBの独立性はなくなり、ドル安、アメリカ株安、国債安に一気に動くことになるだろう。いつの時代も、まともな人には生きにくいのが、この社会なのかもしれない。トランプ大統領閣下さまの望む金利の低下を実現するには、トランプ氏のいうところの相互関税を廃止することが、唯一の方策となっていることを理解しないといけない。トランプ大統領閣下さまが「利下げ、利下げ」と騒ぐ前に、利下げを実現する最大の障壁となっているのが、トランプ大統領閣下さまであることを理解しなけれ...