自民党をぶっ壊す

 台風の影響で東海、関東、東北に大雨が降る予報が出ている。東北新幹線の一部ではすでに計画運休を決定している。今後は、東海道新幹線にも影響が出てくる可能性もあるそうだ。今年の雨は、局地的に線状降水帯が発生して、これまでに経験をしたことがないほどの大量の雨をもたらしている。こんなにも大量の雨が降り続くと、災害が心配になってくる。



かつて小泉純一郎という総理大臣がいた。自民党総裁選において、当時の自民党の若手といわれる3人が立候補したときに、田中真紀子氏曰く「奇人、変人、軍人」の3人だそうだ。その中の、‘‘変人’’が小泉純一郎氏であった。派閥の中でもそれほど目立った人ではなく、派閥も弱かったのか、総裁選に立候補しては敗退を続けていた。


3度目の正直と挑戦したときに、突如小泉旋風が巻き起こった。当時は自民党の腐敗した体質の中で、総裁を順繰り回しにしていたものだった。その中で、小泉氏が「自民党をぶっ壊す」と大見得を切ったのだった。この言葉に国民の多くが期待を寄せ、ひょっとするとこの小泉氏なら、この自民党を立て直せるのかもしれないと淡い期待を抱いたのだと思う。このキャッチーな「自民党をぶっ壊す」の一言で自民党総裁の座を射止め、念願の総理大臣にへとのぼりり詰めた

この、小泉純一郎氏はキャッチーな言葉を思い付き、それを表現するのが天才的にうまかった。まるで典型的な詐欺師さながらである。できもしないことを、言葉の魔術であたかもできるかのように人々に夢を与え続けるのが本当にうまかった。


この人の真骨頂は、「守旧派=悪」の構図を作り上げ、守旧派であったり、岩盤規制を打ち崩すことに活路を見出したことであろう。その延長線上には、労働環境の岩盤規制を取っ払い、派遣業務や非正規社員を拡大させた。その当時は、労働組合以外の人々はこの派遣業務の拡大や非正規社員の拡大により、経済成長が図られると大賛成をしていた。しかし、その後は労働者を使いやすい道具に見立てる方策に使われている。さらには、その勢いを借りて郵政民営化を断行したことだろう。

しかし、今から見ると小泉純一郎氏の行ったことは、失われた30年を作り上げ、労働者の尊厳をないがしろにし、会社側の使いやすい低賃金・流動化を促進するものでしかなかった。結局は正社員はドンドンと少なくなり、低賃金の契約社員やら派遣社員へと労働力の置き換えが進んだだけであった。(竹中平蔵氏はそのおかげというか、大臣をやめた後パソナの会長におさまっており、贈収賄には問われないものの限りなくグレーに近い動きであった。)


郵政民営化も、結果としてはハゲタカ軍団に保険という資産を売り渡したようなもので、決して褒められる政策ではなかったのではないだろうか。そのうえ、‘‘100年持続可能な年金制度にする’’と言って、年金制度を改悪した。しかし、100年どころか10年も持たず、年金の改悪だけが残っり、さらなる改悪を模索しなければならなくなっている。今考えると、あんなに熱狂した人々は、ただただキャッチーな言葉だけで中身のないままの政策に騙され、この国の活力をそぎ取っる後押しをしてしまったともいえる。結局、「自民党をぶっ壊す」と言いながら、自民党復活の口火をきり、‘‘日本をぶっ壊した’’だけだった。

この歴史の流れから学べなかった人々は、再びキャッチーで中身のない言葉を発する高市氏に熱狂してしまった。どうもこの高市氏も小泉純一郎氏と同じアナノムジナでしかないようだ。政策的には中身もなく、ただキャッチーな言葉を発すれば何とかなると考えているようだ。自分だけが可愛くて、自己演出をするために‘‘令和8年熊本地震’’を利用してみたり、「寝ずに一所懸命仕事をしています」アピールをSNSで発信している。しかし、自己演出がひどすぎるのか、小泉純一郎氏ほどは成功せずに尻すぼみになっている。


結局は高市氏もこの国を弱くし、自分だけの政治的な手柄を追い求めているのだろう。その最たるものが「一度上げた消費税の減税実施」であり「皇室典範の改正」だったんだろう。さらには、究極の手柄として誰も無しえなかった「憲法改正論議をすること、もしくは憲法を改正すること」に照準を合わせているようだ。日本の将来を見据えることなく、自分の手柄のために「責任ある積極財政」とか「2年後に消費税を戻すけれども、今は消費減税をする。」なんて弄ぶようなことは、やめてもらいたい。そもそも、2年後に高市氏が総理でいる確証なんて微塵もない。消費税を戻すのは私以外の誰かがすることで、私は人気取りに走るのよなんて、小泉純一郎氏の再来ともいえる‘‘日本をぶっ壊す’’以外の何物でもない。そんな、社会的実験のようなことはもうやめてもらいたい。


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