にほん昔話  官僚たちの暑い夏

 台風一過のおかげなのか、酷暑にまではならない気温で済んでいる。それでも、台風17号がまたまた誕生しているし、大気の状態は非常に不安定なままである。今日は、千葉で線状降水帯が発生したようである。なんだか、連日のようにレベル3~4の大雨警戒警報が出されているように感じる。




論語、論語、孫ぅ・・・あっ、言い間違えた。

Long Long Ago そう、昔むかし日の国にサナエ婆さまおばあさんがいたそうな。


サナエ婆さんはいつも作り笑顔を顔に張り付けて、自分の感情を極力出さないようにしていたそうじゃ。ただ、目だけは笑っておらなんだで、だれも近寄ろうとはせんかったらしい。そんなサナエ婆さん、自分の意のままに政治を司ることだけに力を注いでおったんじゃと。ある年の夏に、サナエ婆さんは重たい腰をあげて食品にかかる消費税を2年間限定で減税をすることを仲間内で決めたそうな。


しかし、この減税を決めるまでに約1年間近くの時間をかけてしもうたんじゃ。なんせ、減税をしたいと言い出したら、レジの改修に1年近くかかるとか、投資額が大変じゃと、周りは大騒動だったようじゃ。もともとは、食品の消費税はゼロ%を目指したんじゃが、それだとさらに時間がかかるということで、半年程度で対応可能な1%に消費税を変更しての決断だったそうな。

しかも、サナエ婆さんは「2年後には私が責任をもって食品の消費税を元に戻します。」と大見得をきったんじゃ。これには、村の人たちも「いつまで総理でおれると思うとるんじゃ。」「そんな先のことは誰にもわからんじゃろ。」「給付付き減税を導入すると言っていたのに、消費税を元に戻すとは異なことじゃ。」と口々に非難の声をあげておった。そして、「サナエ婆さんは、やっぱり口先婆さんでしかないなぁ。」「具体的な財源を示さないから、円安がますます進行してしまう。」「具体的なことはなぁんにもでけんおヒトじゃのぉ。」「庶民の生活がわからんで、やっている振りだけする口先婆さんじゃ。」と人気はドンドン急降下していった。


この人気の急降下は、サナエ婆さんにとっては致命的なことじゃった。ただでさえ、人嫌いで党内に人脈がないのに、人気が下がれば下がるほど求心力は薄まるばかりじゃった。サナエ婆さんはこうなってしもうたのも、財務省が私の足を引っ張ているからだと、他人のせいにすることで自分の精神の安定を図ろうとした。なにしろ、家事をするのが忙しゅうて近頃は寝ていないそうじゃからな。

財務省が邪魔をするのなら人事で報復してやると、人事に介入してエース級の人材を左遷させたそうじゃ。一旦は、財務省も首を垂れたように見せかけながら、虎視眈々と仕返しの時を待っていたそうな。財務省がサボタージュしだしたので‘‘給付付き減税’’の制度設計は思うようには進まんようになった。しかも、サナエ婆さんのスキャンダルがこれまで以上に流れてくるようになった。サナエ婆さんが何をしても、すべてが失敗作のような裏へ裏へと流れていったんじゃ。そりゃ、サナエ婆さんと財務省との暗闘になったんじゃが、サナエ婆さん一人と全官僚を巻き込んでの情報合戦となると、どうしてもサナエ婆さんは分が悪うなってしまう。あまりの無策さにコメの村のトラちゃんにまで愛想を尽かされてしもうて、コメの国という大きな大きな後ろ盾も失のうてしもうた。


で、約束の2年後には食品の大増税が実施されて、村民からの大ブーイングが鳴り響いた。もともと、食品の消費税を1%にしても、生産者や販売業者がその分をここぞとばかりに値上げしたから、物価高対策にはなっておらなんだ。それなのに、1%の税率を8%のもとに戻してしもうたんじゃから、物価が急上昇していくのは当たり前といえば当たり前じゃ。その無策ぶりの責任をとらされて、サナエ婆さんは石もておわれるが如く政界を追われてしもうたんじゃ。

あんまりにも権力をおもちゃにして自分の力を誇示しようとしても、必ずしっぺ返しが返ってくるもんじゃ。誇示する力が強ければ強いほど、跳ね返ってくる力も強くなるもんなのじゃよ。清濁併せ呑むような度量がないのに、トップになってはイカンということじゃ。近頃は、後先見ずにとにかくトップに立ちたがる、度量も器量もない小物たちが多すぎるからのぉ。あんたも、自分からトップになりたいというんじゃのうて、周りからトップに押し上げられるような心の広い人になるように頑張りなされ。この先も、甘言に浮かれることなく気を付けなされや。くわばら、くわばら。





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