にほん昔話 チャンスの神様
昨日発生した「令和8年熊本地震」は震度の大きさもさることながら、10年という短い期間で同じような場所に大型の地震が襲ったことになる。そして、今回は工場の煙突が折れたり、高速道路が寸断されたり、大型のショッピングモールで爆発があったりと、大変な被害を引き起こしている。暑い中で、停電や水道が止まっている被災された方々のご無事をお祈りします。
論語、論語、野合・・・あっ、言い間違えた。
Long Long Ago そう、昔むかし日の国にサナエ婆さまおばあさんがいたそうな。
サナエ婆さんはいつも白く化粧を塗りたくり、ひきつった薄ら笑いを満面に浮かべる癖があったので、人からは‘‘白いきつね‘‘のサナエ婆さんと呼ばれていたんだとさ。‘‘白いきつね‘‘といわれるだけあって、サナエ婆さんは口先ひとつで政界を渡り歩いていた。できそうにもないことも、「私だけはできる」と魔術を唱えるようにの賜っていたそうな。
ある時、食品にかかる消費税をゼロにするということを言い出して選挙をして、記録的な勝をおさめた。村民はすぐにでも消費税減税が行われると信じていた。しかし、白いきつねのサナエ婆さんは、選挙に勝った途端に「消費税の減税を推進する。」に変わっていった。あろうことか、論議は「村民会議」に委ねるといいだした。村会ですぐにでも可決できるだけの議員数を持ちながら、なぜか「村会」で消費税減税の方針を取りまとめると言い出したのだ。
これは、総理大臣になるにあたって‘‘ひょっとこ顔’’の太郎爺さんの力を借りたもんで、太郎爺さんの意向を汲んでのことじゃった。その背後には、村の財務を取り仕切る官僚達の思惑が蠢いておった。なんとか、減税を阻止せんと財〇官僚たちはあの手、この手を使って論議を長引かせることに成功したんじゃ。もともと、野党は消費減税を唱えておったが、その手法やら財源やら、一時的ではなく恒久にという具合に、まったく方向性がちごうておった。このあたりも、財〇官僚の手の上で転がされるように利用されて、論議が紛糾したんじゃ。結果、いつまでたっても結論を見ることがなく、与党と野党の両論併記で‘‘白いきつね’’のサナエ婆さんに手渡されたんじゃ。
あれほど熱狂的な人気を誇ったサナエ婆さんも、そのころには人気を落としまくっており、大層焦っておったんじゃ。それというのも、秘密にしておった‘‘サナエトークン’’やら‘‘選挙時の中傷動画’’というった不祥事を暴かれてしもうたからじゃ。
そこで、鶴の一声、サナエ婆さんは「総理として食品にかかる消費税を1%として1%分は現役世代の困窮層に給付し、実質消費税ゼロを決断する。」と発表したんじゃ。財〇官僚としてはぎりぎり譲れる線ではあるものの、面子をつぶされた格好で面白くなかったんじゃ。これは、‘‘ヒョットコ顔’’の太郎爺さんも同じじゃった。
その時の秋は、夏からの猛暑が引き続いておりとても暑い日々が続いておった。そして、村にも異常気象と原油不足から、物の値段はうなぎのぼりに上昇していったんじゃ。せっかく、食品の消費税の実質ゼロ化を目指したのに、物価は前の選挙の時よりも10%以上も値上がりしてしもうた。消費税を減税しても減税効果など無いに等しく、経済対策としてはなっておらなんだ。官僚たちも、サナエ婆さん憎しと何らの手立ても提案せず、ただただサナエ婆さんの無力ぶりをアピールするばかりじゃった。
そのうえ、財〇官僚とそこに連なる議員たちは、サナエ婆さんのスキャンダル探しに躍起になり、あることないことを含めて連日のように瓦版に書かれまくった。おかげで、サナエ婆さん人気は音を立てて崩れてしまい、ついには‘‘口先だけの無能な総理’’の烙印を大きく押されてしもうたんじゃ。
夜も寝ずに頑張ることしか知らんサナエ婆さんは、「寝ずに仕事に頑張っているのよ」反論したが、だれも同情をせなんだ。それよりも、「トップは結果責任だ。」「そんなアピールする暇があれば、仕事をしろ。」「我々の生活の苦しさは、あんたの苦しさの比ではない。」「たった2年で消費税を元に戻せると思っているのか。」「年間5兆円にも及ぶ財源はどうするんだ。」と与党内でも異論が相次いだ。それも、財〇官僚の思うツボだったんじゃろなぁ。
チャンスの神様には前髪しかないんじゃ。あの時、サナエ婆さんが太郎爺さんに気を遣わずに決断しておれば違った結果となったことじゃろう。サナエ婆さんが今になって「あの時決断をしていれば」といくら臍を噛んでも、時すでに遅しじゃった。チャンスが目の前に来たら迷わずつかまなければならんのじゃ。通り過ぎた後では、もう二度とチャンスをつかむことはできんのじゃ。
その後、「‘‘白いきつね’’は総理のチャンスはつかめたが、人の心はつかめなんだ」と緑の狸婆さんにバカにされ続けたそうな。いまでも、日の村の盆地の夏になるとじりじりと日が照りつける中、「あの時、あの時、決断さえしていれば・・・」というように風が音を立てて吹くことがあるそうじゃ。その風が吹いた後には、激しい雷雨となるんじゃと。みなも、チャンスの時には迷わずにつかみ取りなされや。






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