日本昔ばなし 依怙贔屓婆さん
論語、論語、談合・・・あっ、言い間違えた。
Long Long Ago そう、昔むかし日の国にサナエ婆さんがいたそうな。
サナエ婆さんは自分が可愛くて、自分のことしか考えない人じゃった。小さいころから、こつこつと頑張れば、なんとかなる。他人は裏切るけれども、「私の努力は私を裏切らない」とばかりに、一人で努力することしかしなかったんじゃ。。他人と協力して何かを成し遂げるとか、人を率いて汗を流すなんていうことは大嫌いじゃった。とにかく、自分だけしか信頼できない、できればサナエ婆さんの分身がおれば、もっと仕事ができるのにとさえ思うておって、他人の仕事ぶりは全く気に入らなんだそうじゃ。それでも、目端はきいたようで権力者や自分の得になりそうな人をかぎ分ける嗅覚は鋭く、そのような方々にはシナをつくって媚びまくったそうじゃ。
そんなサナエ婆さんが、決断できない石破総理の失態をうけて‘‘瓢箪から駒’’で日の国の総理大臣になってしもうた。勇ましいことをサナエ婆さんは口にはするけれども、人を信じられない性が前面に出てしもうて、言ったことを実行に移すことは困難じゃった。特に、経済関係についてはあまり興味がなかったことが災いし、消費税減税については展望もないままに国民受けすることを野党と一緒になって言っているだけじゃった。そのため、いざ消費税減税をするとなると、その実現の裏付けとなる財政予算すら考えておらなんだんじゃ。
そんな、サナエ婆さん消費税減税実現への正念場となる秋の臨時国会前に、大臣どもを刷新して「サナエ婆さん人気」で乗り越えようと考えたんじゃ。なんせ、人を信頼しておらんで、自分の人気だけが頼りじゃった。しかし、後ろ盾となっておるヒョットコ顔の太郎ちゃんはご自身の意向をサナエ婆さんに押し付けることに余念がなかった。しかも、サナエ婆さんは長期政権を実現したいという野望を持っておった。そのためには、実力者と言われとる太郎ちゃんにすり寄るしかなく、ましてや太郎ちゃんの意向を無下にすることなどは出来ん相談じゃった。
その結果、政権の主だった顔ぶれを変えることはできなんだ。これは、サナエ婆さんの思いとは程遠いものじゃった。それでも、努力家のサナエ婆さんはできる範囲のことはやりきろうとあがいたのじゃ。じゃが、悲しいことに自分しか信頼して来なんだせいで、他人のことにはまったく興味がなく知らなんだんじゃ。そこで、各人にそれぞれの要望を書かせた、エントリーシートを出すように強制したんじゃ。それこそ、自分ならこれができるとそれぞれの特性を知るためにじゃ。サナエ婆さんは「別に他人と交流や付き合いがなくても、こうやってエントリーシートを書かせれば効率よくその人となりを知ることができるわ、ほほほほ。」と嘯いたんじゃ。
それぞれの議員も、これまでのように派閥のオヤビンに言う手間もいらず、そのおかげで派閥のオヤビンの顔色をうかがう必要などなくなり、直接総理に自分の希望を言えるので大歓迎をしたそうじゃ。そしてな、エントリーシートをそれこそ鵜の目鷹の目で眺めすがめても、本当のことが浮かび上がるとは思えのじゃ。それでも、サナエ婆さんは夜を徹してエントリーシートを読み込んだ。寝ずに読み込んだ。目を赤くして、読み込んだ。なんせ、誰がどんな仕事をしているのかなんて、まったく興味がなかっただけに、何ができるのか、何をしたいのか、どんな人材なのか、まったく知らないのだ。そして、エントリーシートに書かれていることを信じて抜擢するなんて無謀すぎることは、サナエ婆さんも重々承知の助である。で、かつての同志や自分に近しい人を引き立てる、その言い訳のための材料が‘‘エントリーシート’’なるものだったんじゃわ。
結局、引き立てられたのはサナエ婆さんと近しい関係の、裏金議員たちが大臣に復権したんじゃな。そして、サナエ婆さんが2月なんかに選挙したせいで予算の年内成立ができなんだのに、その責任は他人のせいにして、元凶として石ちゃんを更迭したんじゃ。それでも、サナエ婆さんは、「それは松やんの考えでワタシャ関与してまへん。」と嘯いた。しかし、誰の目にもサナエ婆さんの人事権をおもちゃにしている様は、はっきりと分かったものじゃった。
そんな、苦心惨憺した第2次サナエ婆さん内閣じゃったが、エントリーシートによって抜擢された大臣サマが早速スキャンダルをまき散らし始めた。裏金議員の金に執着したふるまいは一向に治っておらなんだ。しかも、選挙で禊は済んだというても、小選挙区では敗戦しており、比例で救われただけの当選者であり、到底選挙民の禊をすましたとはいえん状況じゃったから、当たり前っちゃ当たり前すぎることじゃった。
これも、サナエ婆さんの自分だけが可愛くて人を信頼することができない、おかげで人のことを良く知らない、人となりを知るためのエントリーシートという手段の欠点があからさまになったものじゃった。公平にチャンスがあるように見せながら、その実は、自分の側近やら自分に近しい関係のモノだけを引き立てる依怙贔屓そのものの、言い訳の手段として活用されたのが‘‘エントリーシート’’じゃったというわけじゃ。
このエントリーシートってやつは、本人が書くもんじゃから、あることないことというか、あることあること自分に都合良く盛りに盛った作文が集まるばかりじゃ。特に、仕事のでけん奴に限って、話を膨らませ、いかに自分が有能であるかを虚飾満載で大きく見せたがるため、美辞麗句をちりばめた絵空事のような空想・妄想のたぐいとなるもんじゃ。まぁ、これはどこの世界でも同じで、仕事のでけん奴に限って客観的評価と自己評価は大きく乖離しており、他人から見たらまったくなのに、ご本人はさもできたことのように評価をしてしまう癖がある。まぁ、客観評価と自己評価に大きな齟齬がある輩がこの社会には多いから気をつけにゃ~ならんわな。自己評価ばっかり高い奴ほど口を開けば偉そうなことを大言壮語したがるが、その実なんもでけん口先だけの輩じゃということを、心に留めておいて重々に用心して注意しときなされや。それと、あんたも自分の仕事の自己評価と客観評価が近付くように努力することが何よりも重要じゃと覚えておきなされや。くわばら、くわばら。






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