にほん昔話  なにごともバランス

 今日は各地で今年初めての”酷暑日”となった。すなわち、多くの所で40度を超える気温になったという事だ。こりゃ、暑いはずやわ。三連休が終わって、仕事を再開しようとしたら、40度越えの気温とは、働いている人達も大変だろうなぁ。この暑さは当分続くそうなので、明日も酷暑日となるところが多くなるんだろうなぁ。




論語、論語、野合・・・あっ、言い間違えた。

Long Long Ago そう、昔むかし日の国にサナエ婆さまという、おばあさんがいたそうな。


サナエ婆さまは自分が目立つことが好きで、人と一緒になって動くことは大嫌いだったんじゃ。とにかく、自分が目立って輝けるところをめがけて、節操もなく主張を変えていたもんで、徐々に村の会議の中では支持してくれる人も少なくなっていったそうな。

それでも、「この村を強くする」「村民の物価高対策として食品の消費税をゼロを目指す」というフレーズが村民にの心には深く刺さって、ある時の選挙ではサナエ婆さまの率いる等が単独で村の会議の3分の2を超えるまで議席を占める一大政党のトップになったんじゃ。ここで、重要なことは、食品の消費税ゼロを目指すんであって、ゼロにするとは言っていない事なんじゃ。


ところが、村人たちはそんなことにも気づかず、サナエ婆さまが消費税をゼロにしてくれると信じておったんじゃ。選挙後の村会議ですぐにでも消費税ゼロが論議されるのかと思っておったのじゃが、消費税については「村民会議」で論議してもらうと、サナエ婆さまは丸投げをしてしもうた。その時は、年度内に予算を決めることが何よりも重要という言い訳じゃった。しかし、衆議院では3分の2を占める議席を持っておったのじゃが、参議院では依然として過半数にも届かん状態じゃったので、年度内の予算決定はできなんだ。

これには、プライドが高くて人の意見を聞かんサナエ婆さまはたいそう立腹して、「なんで、でけへんの」「参議院の反乱やわ~」と周りの取り巻きに激しく八つ当たりをしたそうな。

これに懲りて、少しは人の意見を聞くようにでもなるかと思われたんじゃが、サナエ婆さまはますます意固地になっていった。そして、「丁寧に説明させていただきます」「論議を尽くさせていただきます」と口では言うものの、実際には村会議にもあまり出席せず、相変わらず我儘な態度は変えんかったそうじゃ。ただ、チヤホヤしてくれるトラさん爺さんの村や、C村をけん制できる可能性のある、モディちゃん村には出向いて外交をたのしんでいたそうな。


その年はトラちゃんがイライラの村と戦争をしていたので、7月ともなると”燃える水”が段々と高騰していき、物価はさらに上昇していった。それでも、サナエ婆さまは物価高対策は「村民会議」で方向性を出してもらうと動かなんだ。村人たちの目の前に迫っている生活よりも、「皇室典範の改正」やら「副首都構想」というそんなに急がなくてもよいことばかりにうつつを抜かしておったんじゃ。しかも、議論はほとんどしておらなんだ。「丁寧に説明します」とかいいながら、説明もしないままに法案を通していった。これも、3分の2の議席を村会議が占めているからこその”数の暴力”を背景としたものじゃった。

数少ない側近たちは、なんとかサナエ婆さまの意向を踏まえていこうとしたけれども、結局は村会は延長をせざるを得なくなってしもうた。なんとか1週間の会期延長をしたんじゃが、サナエ婆さまのプライドを考えると、この上更なる会期の延長をすることはあり得ないことじゃった。それよりも「衆議院で3分の2をしめているのに、なんで出来ないの」「あなた方は本当に無能なのね、数の力で押し切りなさい」とまたまた八つ当たりを当たり散らしたそうじゃ。あれだけ、丁寧に説明しますと言いながら、裏では数の暴力による多数決でさっさとケリを付けるように圧力をかけたそうな。


それでも、村の掟として2院政があることは憲法で保障されており、サナエ婆さまの”数の暴力”は制限されることにもつながった。村人たちは、はじめて「参議院があって良かった」とこれまで参議院なんて無用の長物と思っていたものを、先人たちの知恵の深さに感謝したそうな。

やはり何事も、バランスが必要じゃという事なんじゃろう。えてして、威勢の良いことを言う人間は、後先考えずに自分の利権だけを最大化するために、数の暴力をつかい誠実性を薄なうもんなんじゃ。村人たちも、一つの党が強くなりすぎる弊害を目の当たりにして、やはりバランスが必要じゃと分かったそうな。これからは、一つの党が3分の2も占めるようにならないように、自分達も耳に心地よいキャッチフレーズだけに踊らさずに、きちんと投票しようと誓い合ったそうな。


その後は拮抗する政党が出てきて、かつてのような”数の暴力”をめったやたらと使えなくなったそうじゃ。うん?サナエ婆さまか、あの人はのう、物価高対策も中途半端で、さらにはなんだかいらんスキャンダルによって党からも干されて、人々から見放されたらしい。政治的な信念もなく、耳に心地よいキャッチフレーズばかりで具体的な政策を何一つ持っとらんかったのが致命傷じゃった。それに、村民の意見には一切耳を傾けず、自分にとって都合のよりことだけを数の暴力で押し通そうとしたことが災いしたのじゃ。民主主義の根幹を理解しないまま権力を握り、数の力で思いのままに動かそうとしたのがすべての躓きのもとじゃ。口先だけでのうて、じっさいに丁寧に村民に向き合っておれば違う未来もあったんじゃろうなぁ。まぁ、人を信用しない性格はならんので、いまでは村の盆地で一人寂しく隠居生活をしとるそうな。もともと人と交わることを嫌っておったので、いまでは誰も近寄るものさえおらんそうじゃわ。めでたし、めでたし。


(えらい長文になってしまいました。ここまでお読みいただき、ありがとうございます。)

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