日本?世界?むかし話 トランプお爺さん
まだまだ、寒の戻りの寒さが続いている。風が冷たく、体感温度が低く感じてしまう。もう、3月も半ばになろうかというのに、一向に暖かさが感じられなくなってしまった。せっかく近づいてきていた春が、少し遠うのいたように感じてしまう。
論語、論語、赤穂・・・あっ、言い間違えた。
Long Long Ago そう、昔むかしのことです。
ある島に、ひっそりと世捨て人として暮らしているバンスという老人が住んでいたそうな。バンスお爺さんは事あるごとに「あの時は自分の身を守るためには、ああいうしかなかったんだ。もし世が世なら、わしがこの島のトップじゃったのに。だれが、あの人の嫌がることを言えるというんじゃ。わしは悪ないのじゃ・・・」と誰に言うとなく、ぶつぶつ夜空に語り掛けていたそうな。
あれは、ある大きな島に、トランプというジィサンが住んでいた頃の話じゃ。。トランプお爺サンは大きな体で、声も大きく、なにかあると相手に攻撃的な態度を示し、周りを威圧していました。トランプお爺さんは、何事も取引をしながら、自分が優位になるように企んでいたそうな。
そんなトランプお爺さんの周りには、自分のことしか考えない連中が沢山集まって来たそうな。最初の頃は、それでもトランプお爺さんの判断が怪しい時には、「その判断は間違っている。」「その方向になびくのは、あまりにも自分の都合だけで、身勝手な判断の恐れがある」と辣言を言ってくれる人も中にはいたそうな。
しかし、トランプお爺さんは、年が行けば行くほど、そんな自分の判断にイチャモンをつけるようない人たちを遠ざけるようになったそうな。そして、とうとう周りには、自分勝手な自己中心的な人ばかりが集まってきて、誰もトランプお爺さんの機嫌を損ねるような意見は言わなくなったそうな。そればかりか、トランプお爺さんに気に入られようと、トランプお爺さんのすることなすことに、もろ手を挙げて賛成し、ゴマをすりまくっていたんだそうな。
ある時、遠くに離れているネタお爺さんから、共通の敵である鬼ヶ島の鬼退治をしようとそそのかされたそうな。なんでも、ネタお爺さんの手ごまである情報機関のモサドの機密情報がもたらされ、今なら鬼の首領の首を討ちとれるという事だった。そして、鬼の首領が死んでしまえば、統率力を失った鬼たちはあっという間に鬼ヶ島から出ていくという事だった。
そうすれば、世界に平和をもたらした素晴らしいお爺さんとして、ノーベル平和賞がトランプお爺さんにおくられると、トランプお爺さんのプライドをくすぐるようなことをネタお爺さんは耳元でささやいたんだとか。
トランプお爺さんは、それを真に受けて鬼ヶ島への侵攻をあっさりと決めたそうな。その時。トランプお爺さんの周りにいた人達は、ネタお爺さんの話は眉唾物で、鬼ヶ島に侵攻すると泥沼化して大変なことになると気づいていました。しかし、そんなことを進言すると自分の首が吹っ飛んで、今の優雅で権力ある地位を棒に振ることになるのを知っていました。誰も反対することなく、それどころか皆でこぞって賛同し、更なる攻勢に向けた進言までする始末だったそうな。
トランプお爺さんが秘密裏に鬼ヶ島への侵攻を果たして、情報通り鬼の首領の御首をあげることができたそうな。しかし、その後のシナリオは想定外の方向で、鬼ヶ島の鬼たちは島から出ていくどころか、結束力を高めて反攻に出て来たそうな。
闘いは泥沼化し、大きな島の戦費はうなぎのぼりに上がっていきます。潤沢にあった武器も、いつしか枯渇するようになって来たそうな。なによりも、生活に欠かせない原油が高騰に高騰を重ね、物価は人々の想定を超えて上がったそうな。それでも、トランプお爺さんの周りの人間は、国民は鬼ヶ島への侵攻を支持している、物価高も気にしていないと、絵空事のような報告しかしませんでした。彼らは、今の自分達の生活と権力を守るために、トランプお爺さんの都合の良い話ばかりをしていたそうな。多くの島民は苦しい生活を訴えていましたが、トランプお爺さんの耳に届くことはありません。
そんなある時、先勝祝勝会と称した会議の時に、無邪気な子供がトランプお爺さんに、「お爺さんはお目々が見えないの?お耳は聞こえないの?」と尋ねたそうな。トランプお爺さんは「なんだ、この失礼な小童は。」と子供の声を遮ったそうです。「みんな、ひもじい思いをしているのに、なぜお爺さんだけはそんなにいろいろなものを食べているの?島の状況をしらないの?」と子供の声は続いたそうな。そんな無邪気な声をあげる子供に、周りの取り巻き連中もようやくあたりの雰囲気に気づきました。
もう、トランプお爺さんに忖度をする大人はだれ一人もいないことに、取り巻き連中も気づいていたのです。そして、トランプお爺さんが会場を見渡すと、会場にいる人たちは穴の開いたみずぼらしい格好をして、怒りに震えた目でトランプお爺さんを見つめていたそうな。不審に思ってトランプお爺さんはバンスお爺さんに目をやりましたが、バンスお爺さんは既にそこにはいませんでした。上がり過ぎた物価に大きな島の人々は怒りをあらわにして、バンスお爺さんをはじめ、トランプお爺さんへの取り巻き連中に石を投げていたそうな。そのため、取り巻き連中は我先にトランプお爺さんから逃れて、自分の身を守ろうとしたのです。人々は、「トランプお爺さんは嘘つきだ。」「できもしないことを、大言壮語するだけだ。」「すべての元凶はトランプお爺さんだ。」と口々に言い始めましたとさ。トランプお爺さんの横で、唯々諾々と従っていた連中までもが、手のひらを返したように「あなたが間違っている。」「You are fire!」と口々にいいだします。「トランプお爺さんの恐怖政治のせいで、本当のことが言えなかっただけで、自分たちは悪くはない。悪いのはトランプお爺さんだ」とも言い募りましたとさ。
だれも、忖度してくれなくなったトランプお爺さんはとうとう一人ボッチとなったことに気づきましたとさ。鬼ヶ島へ無謀な侵攻をしたために、物価がとてつもなく上がってしまい、我が世の春だった大きな島の経済を奈落の底へ落ちてしまっていたのだそうな。トランプお爺さんも、民衆から石もて追われて一人寂しく、もらえるはずだったノーベル平和賞の便りを待ちながら死んでいったそうな。
そして、一番の側近だったバンスお爺さんは、人の目を避けるように大きな島の秘境である洞窟に隠れ住む、世捨て人となったそうな。そして、毎晩毎晩「世が世なら、ワシが島のトップになるはずじゃったのに」と繰り言をつぶやいておったそうじゃ。
その島の洞窟では、今でも月の出ない夜には「ゴゴ・ゴ~、ゴゴ・ゴ~、ゴゴ・ゴ~」と低く鳴くような風が吹くそうな。あたかも、自分の身勝手な行いを悔い改めるようにな。島では、たとえトップの言う事であろうと、側近は是々非々をきちんと進言することが決めれらましいたとさ。トップは、議会や辣言を諭してくれる側近を重用することの重要性を身に沁みこませることとなったそうな。それから、独りよがりな無茶なリーダーはあらわれることなく、ゆっくりと、しかし着実に、大きな島は回復・発展していったそうな。めでたし、めでたし。









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