日本昔話 サナエ婆さんの向日葵

 天気予報通り、朝から本格的な雨が降っている。雨のせいなのか、気温は朝からあまり上がらないままだ。しかし、これだけの本格的な雨が久々に降っているという事は、ちまたの水不足の解消につながるに違いない。何事も、”過ぎたるは及ばざるが如し”で、乾燥し過ぎも良くない。大雪が積雪するのも良くない。ほどほどが一番だな。



論語、論語、顎ぅ・・・あっ、言い間違えた。

Long Long Ago そう、昔むかしのことです。 

ある小さな島に、働き者のサナエ婆さんが住んでいました。サナエ婆さんはあまり人づきあいが得意ではありません。村人とお話をしたり、お茶をしたりする代わりに、一生懸命働いていました。

多くの村人がお茶を飲んでのんびりしている時にも、作物ができるように荒れ地を開墾していました。雨が降らないと、村人が嘆いている時には、一人、遠くにある川にまで行って水を運んできて、畑に水を撒いていました。


サナエ婆さんは、「働いて、働いて、働いて、働いて参ります」と休みも取らないで、日がな一日働きづめでした。

しかし、そんなサナエ婆さんのことを心よく思わない、欲深いお祖父さんたちも村にはいました。ヒョットコ顔の麻生のジィジや、人を後ろから切りつけることが好きな石破のジィジ、C国から命令をうけている岩屋のジィジたちです。

「なにをそんなに張り切っとるのじゃ。そのうちに化けの皮が剥がれるわい。」とジィジたちは、何か事があればサナエ婆さんの足を引っ張ってやろうと、虎視眈々と狙っていました。


不作で村が困っている時に、サナエ婆さんが朝から身を粉にして開墾した畑の作物やら、遠い遠い川から運んできた水をみんなに分け与えたので、村は不作を乗り越えて、いつも以上の作物を収穫することができたそうな。

それでも、サナエ婆さんは、C国がこの村にも責めてくるかもしれないと、心配して用心を怠りませんでした。

しかし、村人たちは誰もサナエ婆さんの言う事を本気にはしません。とくに、強欲ジィジたちが、サナエ婆さんの足を引っ張りながら、宴会を開いては村人たちを呼び出していました。村人たちは、麻生のジィジや石破のジィジや岩屋のジィジの酒やら豊富な食べ物を楽しんで、すっかり平和ボケしていったのです。


それでも、サナエ婆さんは一人で砦をコツコツと立てていきました。C国が容易にこの村に入れないように、たくさんの砦を一人で設営していきます。

誰も手伝うものもなく、サナエ婆さんは気が触れたと、陰で笑っていました。それでも、サナエ婆さんは一つ、もう一つと、要所要所に砦を準備していきました。そして、C国が攻めてきたときに、村を守るように様々な武器を要所要所にかくして準備していましたとさ。

武器の置いてある場所がみんなが分かるように、サナエ婆さんは黄色い向日葵を目印として植えたんだとさ。

砦を一人で作り、武器さえも一人で用意していたサナエ婆さんの家は、ひもじく、その日の食料にも困るほどになっていました。それでも、サナエ婆さんはせっせと準備に怠りはありません。


そして、ある夏のことです。大きな台風がやってきて、辺りの作物をなぎ倒し、氾濫した河川は畑を水没させたんだそうじゃ。サナエ婆さんの村も、C国も未曽有の不作となり、飢えが深刻な問題となったそうじゃ。

そんなとき、働き者のサナエ婆さんがいる村の食料を奪おうと、C国はサナエ婆さんの村を襲撃したそうじゃ。ところが、サナエ婆さんの作った砦は強固で、C国の砦を超えることがなかなかできずに手こずっていたそうな。その間に、サナエ婆さんは村人に、力を合わせてC国に立ち向かおうと武器のことを話しました。

村人たちは、黄色い向日葵を目指して歩いて行き、それぞれが武器を手に取ってC国の略奪者たちを撃退したそうな。サナエ婆さんの用意周到な準備により、なんとか村はC国からの脅威を跳ね返し、平和な日々を取り戻したそうな。ヒョットコ顔の麻生のジィジは隠居したそうな。石破のジィジと岩屋のジィジは村人から石を投げつけられ、C国の戦士が帰っていくときに、一緒に村を出てC国へ連れて行ってもろうたそうな。


それから、何年も時が過ぎ、C国が攻めてきたのも、もう昔のこととなった。いまでは、C国もその村の強さには懲りて、二度と手出しをしないこととしているそうじゃ。そして、サナエ婆さんがいなくなった後も、その村の人はサナエ婆さんの言いつけ通り、村を守っているそうな。そして、村を守った向日葵は、いまもあたり一面に花を咲かせてるそうじゃ。あたかも、幸せの里の象徴のように黄色い花で村をうめつくしているそうな。めでたし、めでたし。


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