なにごともバランスなんだろう

 今年もあと残すところ4日と、本当に年末のあわただしさに包まれている。スーパーの売り場は、すでに迎春用に衣替えを終えて、すっかり新年を迎えるムード一色になっている。そろそろ、普段買いの商品が減っていき、正月用の高級商材が商品棚に並べられ、値段も正月用の高くなっていくのだろう。年金生活者には、年の瀬は厳しい季節でもある。



もう昨日すでに仕事納めを行い、今日から年末年始休暇を始めた方々もいることなんだろう。今年はカレンダー廻りの関係で、1月4日まで休日となる人もいるようだ。そうすると、9連休になる。年末年始にしたら、大型連休となるところもあるようだ。これだけの大型連休となると、年末年始には旅行を楽しむ人も増加するに違いない。

中国からの来日する観光客が減っていることだし、日本経済を維持・改善するためにはもってこいと言えるのかもしれない。しかし、一気に多くの人が旅行に集中すると、受け入れ側が間に合わなくなることも起こりうるのではないだろうか。


かつて、現役で働いていたころ、福岡への出張とジャニーズ関係のコンサートが重なったことが何回もあった。そのたびに、出張のためにホテルの宿泊予約をしようにも、会社の規定で泊まれる値段のホテルは皆無であった。ネットで調べても、出てくるのは15,000円とか20,000円とか信じられない値段が付けられている。それも、普段止まっているようなビジネスホテルなのに、べらぼうな高値でホテルの価格を提示していた。仕事でどうしても博多に行かねばならず、宿泊も必要だったので、八方手を尽くした。結局、福岡市内、特に仕事に行かねばならない博多周辺では宿泊を取ることはできなかった。

あとで、聞けばジャニーズ系グループのコンサートが行われていて、その周辺の宿泊施設はジャニーズ系グループの追っかけに相当早い時期から抑えられていたらしい。おかげで、こちとら博多での仕事の後、泣く泣く小倉まで移動して宿泊をすることになった。ジャニーズ系グループの底力をまざまざと見せつけられました。


そういえば、京都でも同じような目にあったことがある。あの時は、コロナ禍後はじめての秋の紅葉のシーズンで、観光客であふれかえっていた。この時も、通常のビジネスホテルが20,000円であればよい方だった。とてもじゃないけれども、宿泊などできるわけもなく、夜遅くに仕事が終わってから、寂しく京都を後にして大阪方向へと移動したこともあった。

大型連休やら、観光のピークシーズンになると、途端にホテルなど宿泊関係の供給を上回る需要が発生するために、値段が異常に高騰してしまうのだ。かといって、ホテルを建設してしまうと、通常期や閑散期には需要そのものが少なくなってしまい、経営的にも成り立たなくなる。一時的な集中による価格の変動には、それなりの合理性があるのかもしれない。


令和の時代になってから、「働き方改革」とお上が宣賜っている。日々の労働時間やら、休日取得やらについては、昭和のころと比べると隔世の感があるほどに改善されているように思える。働く側の意識も随分と変わったようだ。それでも、日本の昔からある慣習やら、大型連休やらには、なかなか対応しきれていない面が多くみられるように思う。慣習やら風習といった部分は、政府やお上が宣賜ったからといって一朝一夕に変わるものでもない。この意識の変化には長い時間の経過が必要なんだろう。

それでも、宿泊とか交通の面から観光に関わる業界の経営資源を最大限有効活用するためにも、意識の変容を日本人として自律的にしていかなければいけないんだろうなぁ。今ある、安全と安心と信頼できる、という技術の伝承と新たな働き方のバランスが取れることになるようになれば、日本経済も再び輝きを取り戻して、世界経済を牽引していくことができるようになるんじゃないかな。そろそろ、新年になる時期だけに、来年こそはそんな感じのいい年と日本復活の年になってもらいたいものだ。


コメント

このブログの人気の投稿

移転するんですって

名店が帰って来た Me B.B.Q

痛恨のミス こちらが正真正銘のMe BBQでした