心よからぬ人
30年ほど前に有名になった、自動販売機を狙ったつり釣り銭詐欺ともいえる犯罪が、巷ではまたまた横行しているらしい。日本の500円硬貨と韓国の500ウォン硬貨がほとんどそっくりなのを良いことに、忙しそうなお店の現金支払い時に、10分の1の価値の500ウォンを支払う事を繰り返しているらしい。
韓国の500ウォンは、本当に日本の500円硬貨とそっくりである。そして、重さもそんなに変わらないはずだ。韓国政府は狙って、同じような形・重さの硬貨を発行したのだろうか。それぞれの国内だけでの流通ならば、問題もないことだろう。しかし、お隣の国で価値が約10倍も異なるとなれば、本来流通しないはずの日本に持ち込む、心よからぬ人も現れることだろう。
かつては、500ウォン硬貨の表面を少し削り取り、500円硬貨と同じ重さにして、自動販売機で使用するという事が横行していた。そのおかげで、自動販売機は硬貨に対するセンサーを精密にし、もはや500ウォンを500円として使用することはできない。そう、自動販売機はもうだまされないのだ。これにより、500ウォン硬貨による詐欺は無くなったのだと思っていた。
歴史は繰り返すというが、時間が逆流したかのように、500ウォン硬貨による被害が出てきた。現在の日本の500円硬貨は、まず2000年には周りに斜めのギザギザを入れるように変更された。そして、2021年には「バイカラー・クラッド」と呼ばれる匠の技による新硬貨へと進化した。それでも、まだまだ先々代の500円硬貨も流通している。そこに目をつけたのが、今回の犯罪である。
そもそも、日本国内での使用を前提として、海外の硬貨を財布の中に入れておくことはあり得ない。それなのに、わざわざ忙しい時間帯の人手による現金のやり取りの場で使うというのは、もう確信犯としての犯罪としか思えない。
まだまだ、先々代の500円硬貨が流通している状況を鑑みれば、500円硬貨を受領する場合には裏表しっかりと見ることを徹底するほかないだろう。特に、500円硬貨を何枚も何枚も会計の時に出すようなケースでは、さらなる注意喚起をしていくことが求められる。そして何よりも政府に対応してもらいたいことは、先々代の500円硬貨を早急に回収して、市場に流通しないように徹底することだと思う。人の善意に頼ったり、性善説では対処できないほどの、心よからぬ人がいる国もあるという事を政府は肝に銘じて、早急に対応してもらいたい。10分の1の価値の硬貨をワザとに使って、市民生活の安全を脅かす輩を締め出すことが求められるのではないだろうか。安全保障を掲げている高市総理なのだから、まずは身近な我々の生活の安全保障を一歩ずつ守っていただきたいものだ。




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