隠れた名作を発掘
※ 今日の投稿は、σ(-"-) 昭和的なノリの好みとなっています。一部の人にとって不愉快に思われる部分があるかもしれません。その節は、どうぞお許しを願います。
久しぶりに面白い漫画を偶然見つけた。”もっこし半兵衛”という漫画である。徳弘正也氏の描く江戸時代の浪人を主人公にして、江戸の裏面を描いている。そして、江戸時代の風習や社会制度についても知ることができるとても有意義な本である。時代考証などもきちんと調べつくして書かれているんだろうと思う。
かつては、”ジャングルの王者ターちゃん”という漫画を描いていた。もう、何年前のことだろう。とても、昔のことでちょっとやそっとでは思い出せない。しかし、作風は一切変わっていないと思う。とても懐かしい感じがするのだ。そして、この”もっこし半兵衛”も、おそらく、この令和の時代にはあまりそぐわないギャグ漫画なんだろうなぁとおもう。少し下ネタで、女性の支持は集めることはほぼ不可能ではないかと思う。かと言って、過激な下ネタを期待する青少年にも合致はしない。昭和の頃なら笑いで済ませれたような話も、今の令和の時代では厳しいのではないかと思う。σ(-"-) はそれでも、徳弘正也氏のギャグマンガは好きである。単に下ネタの話ではすまない、きちんとした人情噺であったり、シリアスな問題を題材としている。それらの話を、下ネタというオブラートで包んで、笑わせながら考えさせられるという、とても素晴らしいストリーテーラーだと思う。
天才的な作話と、ち密な絵があってこそ、徳弘正也氏の漫画は成立するんだろう。今でも、変わらずに作画を続けていてくれることを、たまたま知ることができたので、うれしくなってしまった。別に、懐古趣味ではないけれども、自由に表現できる昭和の時代の良さを今、しんみりとかみしめている。
いつの頃からか、下ネタやジェンダー、ハラスメントと漫画の世界にまで、表現についての足かせがついてまわる世の中になってしまっている。こんなに品行方正な表現ばかりの温室育ちのような子供ばかりが育っていくと、大人になるとどんな社会になるのだろう。純粋培養の、毒気のない社会なんか本当はないのに、そこに目が向かないようにしているだけなんて、表面を取り繕っているだけに過ぎない。心の中では、吐き出せない不自由な表現が肥大するだけではないだろうか。なんだか、禁酒法時代のように蓋をするだけで、心底っていうのは変わらないから、余計に陰湿な社会になるのではないだろうか。そんな心配をしていしまう。
できることなら、徳弘正也氏の漫画がこの制限ある表現の中で、存分に暴れまくることが社会の一縷の望みになってくれるのではないだろうか。ぜひ、これからも頑張って、この路線の漫画を描き続けていただきたいと切に願っている。ほんと、隠れた名作なんだよなぁ。



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