闘わない組織なんて不要なんです
昨日はなんとか晴れて、春の陽気となった。今日も昨日に引き続いて、春の陽気の一日である。一昨日までの寒さが嘘のように、本当に過ごしやすい。歩く時も、一昨日までの冬用の上着は不要なほどで、春物の薄手でもうっすらと汗ばむ。これから、徐々に過ごしやすい日になると思うと、心もウキウキと弾んでくるというものだ。
世間では、いよいよ賃上げの時期となっている。テレビでは、各社が満額回答をしていると景気の良い話が続いている。ニュースでは、ある産別のホワイトボードに”満額”とかかれた回答がずらりと並んでいる様子を報道していた。
まぁ、マスコミの方々の不勉強もあって、今年も見過ごされているけれども、たった7%程度の会社からの回答で良しとしているとは・・・人手不足や物価高で困っている状況を見て見ぬふりか。同じ番組では、お米が足りなくて価格が急騰していると報道している。昨年の2倍ほどになっていると言っている、その口の根も乾かぬうちに”満額””満額”と大本営発表のような報道に終始している。
ガソリンはトリガー条項も適用せず、複数課税でもそのまま。野菜は天候不順と不作のため、これまで昨年の倍では効かない、3倍4倍となっている。円安、原材料費の高騰や物流費の高騰により、食品は毎月のように1500品目から2000品目が値上げ・値上げ・値上げである。そういや、マクドナルドも昨日から再度値上げしたらしい。
物価の優等生だった卵は、鳥インフルや夏の暑さのせいで卵が少なくなり、こちらも昨年の倍以上にあがったまま下がる気配すらない。家電製品でも、エアコンは通常品が10万円程度となっている。かつての倍以上だ。軽自動車も、今や200万円を超えて300万円にもとどうかというくらいで、かつての倍以上となっている。
肌感覚でいうと、1997年あたりからみても倍程度の費用が掛かるイメージだが、給料は全く上がっていないように感じる。いや、給料水準だけは下がっているかもしれない。
それでも、連合をはじめとする労働組合は、今年の賃上げも「各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点か ら、全体の賃上げの目安は、賃上げ分 3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持 相当分)を含め 5%以上、賃金実態が把握できない中小労組は、上記目標値に格差是正 分 1%以上を加えた 18,000 円以上・6%以上を目安」とするという、かつての考え方を踏襲しているから、一向に賃金は上がらない。時代の変革期に、平時の感覚で考えるから、時代に取り残され、労働者の生活にしわ寄せをして、ノホホンとて平気でいられる。平和ボケしているのか、デフレ時代の考え方が骨身にしみこんでいるとしか思えない。
消費者物価指数をみても、2025年1月の前年同月比でみると、食料品は7.78%、生鮮食品21.92%、穀類18.35%、野菜・海藻25.63%、飲料7.56%、そして電気は22.1%でガスは20.1%と生活に直結しそうなところは軒並み20%近い増加となっている。もっとも、総合値でみても4.02%である。どう考えても、連合の言っている6%なんかの要求では、到底足りない、低すぎるというものだ。消費者物価の総合値は、多くの品目やサービスの平均値をとるため、たまにしか買わない製品の価格が安定していると、指数を引き下げる要因となる。また、持ち家の帰属家賃も消費者物価指数を低く抑える要因となっている。
そして、連合(労働組合)の成績表ともいえる実質賃金の2024年分は前年比で0.2%のマイナスである。2024年の賃上げ結果は前年比5.1%増だったらしい。(内閣府調査)しかしこれは定期昇給分込みの数字である。定昇や一歳一年間差を考えれば、おそらく実質的なベアとしてはどうみても、1.7%~2.5%程度ではないだろうか。ここに、2024年度の消費者物価指数が前年の2.7%増であることを見てみると、実質賃金がマイナスになるのは当然の帰結である。
実質賃金が上がっていない中で、2025年の賃上げをするんだから、せめて今年こそは実質賃金が上がる要求をしない連合(労働組合)って、なんなんだろう。満額回答だから良いってわけではなく、それこそ経営と労働組合幹部のなれ合いの果ての結果みたいじゃん。もう労働組合幹部ではなくて労働組合患部だよ~
会社の言いなりになる労働組合に、誰が信頼を寄せるというのだろう。そもそも、会社が満額で回答できるっていう事は、まだまだ回答の上限に余裕があるってことじゃない。労働組合が自分たちで上限を決めて、ガラスの天井にしてしまっては、労働者の生活が良くなるわけ、ねぇ~~ですから。もう、やってる感だけの労使なれ合いの出来レースの三文芝居はやめたほうがいいんじゃないですか。今年の賃上げの結果を喜んでいるのは、経営者と政府と、(政府を陰で操ろうとしている)官僚たちぐらいじゃないの?
変革期にも関わらず、波風もたたさないように旧態依然の方式を繰り替えしている。そのかわりに、選択的夫婦別姓とか、消費税の引き上げとか、年金制度の改悪と、ジェンダーとか、SDGsとかに注力して存在感を示そうとしている。もう、そろそろ目を覚まして労働者の経済闘争としての在り方を検討した方がよくないですか。
ジジィの年金額は、現役の君たちの賃金の引き上げによってしか、増額が無いんだよ~~。もっと、生活者のことも考えて賃金闘争に取り組んでもらいたいものだ。
コメント