名よりも実をとった

 木枯らし1号が吹いたそうだ。一昨日まで残暑が厳しいとか、暑いと言っていたのに、「立冬」になったとたんに、一気に寒くなった。徐々にというのではなく、一気にというのが合う感じだ。それこそ、身体的にいうと一気に老け込んでしまったという感じだ。



厚生労働省が106万円の壁を撤廃する方向に舵をきったようだ。106万円である。国民民主党のいっている103万円ではない。

自公与党が臨時国会を乗り切るためには、国民民主党か維新の会にすり寄るより手はなさそうだ。で、国民民主党が主張している103万円の壁を上げる、ガソリンにおけるトリガー条項を適用するといったことを飲まなければならない事態に追い込まれた。



どちらにしても、税収は大きく減収となることは火を見るより明らかとなってきた。そこで、官邸は官僚に税の減収分をいかに少なくするかを投げかけたのかな?

厚労省は、切り札として106万円の壁の撤廃を持ち出したのだろう。

これで、現状年金3号被保険者だったパート等で週20時間以上働いている人から、社会保険料として徴収することが可能となる。



パート労働者の中には、106万円の壁を気にして就労調整をしていた人もいるだろう。これからは、働く時間を気にする必要はなくなるけれども、働けば社会保険料の負担をしなければならなくなる。

パート労働者の中には、106万円の壁を気にして就労調整をしていた人もいるだろう。これからは、働く時間を気にする必要はなくなるけれども、働けば社会保険料の負担をしなければならなくなる。

103万円の壁を上げざるを得ないことを見越して、政府はとんでもない爆弾を打ち込んできたようなもんだ。実質的に手取りを増やすとした国民民主党の政策を受けるふりをしながら、社会保険制度の改革にまで踏み込んできた。おそらく、所得税の減収分と社会保険料の増額分という相殺もさることながら、社会保険制度をこれを機に一気に変えてしまおうという魂胆も見え隠れする。何もないときに、この3号被保険者にかかる制度の見直しはとてもじゃないけど反対意見が多すぎて変えようがないと思われる。それが、千載一遇のチャンスともいえる103万円問題が降ってわいたから、厚生労働省にとっては僥倖としかいいようがない。



いつかはしなければならない制度改革、しかし提案すれば総叩きとなる案件が、この期に乗じてうまいことできるとあれば、両手をあげて立案するよなぁ。これで、所得税の減収分に対して勤労者からは社会保険料の徴収ができるし、企業からは社会保険料の半額負担ということで内部留保を吸い上げることができる。

う~~ん、政府与党は腐っても与党、名よりも実を取って実質的な減収分も吸収していくことを考えているとは、敵ながらあっぱれというところか。

国民民主党の主張は国民の手取りを増やすことに貢献できたのか、藪蛇をつついたのかは、もう少し長い目で見ないと判断できないと思う。

♪♪♪

心配ないからね 手取りを上げる

103万の壁 きっとなくす

玉木の浅知恵に 106万の撤廃だ

手取りは増えず 最後に政府が勝つ

            ♪♪♪


しかし、おおむね不幸はしら~っとしながら、そばに忍び寄ってくるものだ。このニュースもそんなに取り上げられることなく、そっと忍び寄ってきているような気がする。

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