巨星墜つ

 つい先日まで、厳しい残暑だの、暑い日々が続いているなどと言っていたが、一転して今日は肌寒い日となった。そういえば、これまで夜寝る時もタオルケットで済ませていたものが、いつの間にか布団にくるまっている。

身体は正直だから、暑ければ暑いなりに、寒ければ寒いなりの対応を自然としている。そういえば、明日は暦の上では「立冬」ということらしい。

寒くなっても、不思議でも何でもない。体感的には、「四季の国日本」から夏と冬「二季の国日本」へとなってしまったとしか思えない。確か、今年は春もあまり感じずに冬から一気に夏になったように、冬も一気にやってくることなんだろう。吹いてくる風も、今日は肌寒いものだった。街の人の格好をみても、すっかり冬モノを着込んでいる。老体には厳しい季節の変わりようだ。




今日のyahoo newsで知ったことなのだが、楳図かずおさんがお亡くなっていたらしい。



子供のころ、楳図漫画は恐怖漫画としてとても怖かったことを覚えている。姉貴の漫画本で見た「ヘビ少女」「紅ぐも」「蝶の墓」など、読んだ後はこわくて怖くて一人ではいられず、読んだことを後悔した。それでも、怖いもの見たさでつい読んでしまい、その後は恐怖に震え、怖いにもかかわらず、また読んでしまて、その度に後悔していた。



その後も、「猫目小僧」や「おろち」など怖いもの見たさに少年漫画雑誌を読んでいた。もうそのころには、楳図かずお=怖い漫画を描く人、という公式のような図式が頭の中にしっかりインプットされていた。

それが、σ(-"-) が中学生のころに楳図かずおは「アゲイン」でこれまでの作風を一変させた。完全なるギャグマンガである。この路線変更には、すっかり腰をぬかされてしまった。元じいさんが薬をのんで、中学生に若返っていろいろ騒動を起こす。老人の知恵を持った中学生の突飛な行動、老人特有の人を気にしない特性等を存分に活かした、画期的な漫画の出現であった。漫画を読んでいたころは、σ(-"-) も老人になったら、元じいさんのように若返り薬を飲んで暴れまわりたいものだと、夢想していたことを思い出す。


いま、元じいさんと同じような年齢になり、アゲインのような薬があればσ(-"-) も飲むだろうなぁ・・・

できることなら、元ちゃんと一緒にハチャメチャに遊びたいと思うけど、きっと薬がきれたあと二人して、息絶え絶えになって、身体のあちこちが痛いといいながら、お互いに湿布薬を貼りあいながら、次は何をしようかと馬鹿なことを企んでいるのかもしれない。


その後、漂流教室ではSFでなおかつ、かつての怖い系もはいった秀作だった。また、その後は一転して「まことちゃん」ではギャグ路線に回帰。多分、この「まことちゃん」は「クレヨンしんちゃん」の根幹をなすコンセプトではないのではなかろうかと、σ(-"-) 個人的には思っている。



その後、またSFものでの「わたしは慎吾」や「神の左手悪魔の右手」「14歳」など名作と言える作品を発表されていた。

長年にわたり、独創的な発想力と稀有な才能でコミックスの一端をけん引されていたことに、そしてその作品をリアルタイムで読めたことに感謝したい。彼と同じ時代に生きて、彼の漫画を堪能できたことは、誠に稀有なことだと思う。

偉大なる巨星が墜ちて、時代の秋をまざまざと感じさせられる出来事であった。昭和は遠くなりにけり、σ(-"-) も、そら年行って定年退職後の老後生活となるはずだわ・・・

楳図かずおさんのこの度のご逝去に対してご冥福をお祈りいたします。

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