耳障りの良い言葉に酔ってます
臨時国会から目が離せない。今度も、城内大臣の答弁から高市総理への答弁について、立憲民主党がまたもや、いちゃもんのような言いがかりをつけている。批判や、揚げ足取りばかりで、じゃぁどうするんだっていう代替案を全く示さない立憲民主党には、政権担当能力もないことは明らかだ。そうりゃ、旧民主党を解散するときの烏合の衆の集まりで、政治信条とか信念とかまったくもたない、選挙互助団体でしかないもんな。
連合の顔色をうかがい、最低賃金1500円の早期実現に向けて、連合に対するゴマすりというか、点取りの質問としか思えない。城内大臣も高市総理も「経済動向を踏まえてというお答えしかできません。物価高を超える賃上げを目指す。これまでの目標よりも高くなる可能性もあるし、外的要因で難しいこともある。今、必ずいつまでにいくらと申し上げるわけにはいかない。金額を申し上げてしまいますと、地方も含めた中小企業などにも丸投げしてしまうことになる。それは無責任」としているのに、それでも立憲民主党は「これ事実上の時給1500円撤回と言わざるを得ない。ぜひ具体的数値を」と追いすがっている。
立憲民主党も、連合も、最低賃金の引き上げを掲げているようだけれども、最低賃金だけが賃金のすべてではない。ましてや、最低賃金によってあらゆる問題を解決しようと考えているところに大きな間違いがあるのではないだろうか。確かに、最低賃金は必要な指標ではある。しかし、それがすべての問題を解決するわけでもない。連合も、立憲民主党もかねてから、最低賃金の引き上げに血道をあげているけれども、「年収の壁」については一切ふれてもいない。おかげで、パートタイマーの方々の多くが、年収調整を余儀なくされるため、現場では最低賃金が上がれば上がっても、ご本人の手取りは変わらない。さらには、最低賃金の急上昇は、控除内での勤務を遵守しようとすると、労働時間や労働日の調整を余儀なくされ、職場ではかえって人手不足が深刻となる本末転倒な事態が起きていた。
どのような政策も、ある一面だけを切り取っても、他の側面があり機能しないことは多々ある。バランスを取りながら、政策実現にむけた取り組みを図るのが、行政府や立法府の行う政策策定ではないのだろうか。それを、一方向からのステレオタイプの思考でしか考えられず、耳障りの良いことだけを立憲民主党は言っているように聞こえて仕方がない。連合も、同じように耳障りの良いことをいっている。それを、前石破政権がぱっくりと食いつき耳障りの良い方針を掲げてしまった。いくら国が方針を示しても、公務員でもない限り最低賃金を支払うのは企業だ。企業が払えない分を国が補填してくれるわけでもない。どうすれば、その賃金を支払えるだけの生産性のある仕事にできるのか、そのための産業構造や仕組みをどう組み立てるのか。街のパパママストアにも波及できるように、経済成長路線の道筋を明確に示すことが先決だと思う。
最低賃金の具体的な目標設定による政府介入をして、耳障りの良いことを言ったとしても、それは絵に描いた餅で、言葉遊びに過ぎない。社会保障関係の費用について、無駄や無理がないのか、これからの成長分野にどのような補助金をつけていくのか、人材確保に向けた処遇改善をどのような政策対応をするのか、と言ったことを具体的に立案していってもらいたいものだ。
特に、連合は成果主義とかを蔓延させ、企業の人件費削減の片棒を担いできただけで、労働者の実質賃金の目減りを容認してきている。賃上げにおいてすら、大手企業しかみておらず中小企業の多くが賃金を上げることすらできていない現状に、なんら言及をしていない。っていうか、その事実さえ見ようとしていない。労働の対価である賃金までもが、自己責任という言葉で言いつくろって、きれいごとだけを並べて賃上げには消極的となっている。労働者の代表でありながら、影の官僚のような姿勢を貫いていて、自分たちの権益だけを死守しようとしているとしか見えない。耳障りの良い言葉に、自分達だけで酔っているんだね。


.jpg)


コメント